束縛男と、2年半ズルズルと付き合った…

高校生の時に付き合っていた彼は、一個年下でした。

俗に言う「束縛男」。男の子とは会話することさえ許されず、それどころか女の子とも付き合いを制限されていました。彼のことは好きでしたが、そんな彼との付き合いが窮屈にも感じていました。

 

何度か別れを切り出しましたが、「それなら死ぬ」と脅されて、実際次の日に会うと自分の手の甲をボールペンで刺しまくって傷だらけだったりしたこともあり、結局ズルズルと2年半付き合っていました。

 

私が一足先に卒業し、大学へ進学しました。彼はほぼ毎日、放課後に電車に乗って私の大学まで迎えに来て、私が男の子の絡んでいないか監視しました。

 

彼がいることに気付かずに、男友達に挨拶してしまった日には、大学の前でブチ切れられました。大学内でも「束縛男」として有名になり、恥ずかしい思いでいっぱいでした。

大学の男友達に彼のことを相談しているうちに、どんどん「別れたい」という思いが強くなっていきました。男友達に背中を押され、彼に電話で「別れたい」と伝えました。

 

すると彼は取り乱し、怒鳴り散らし、「今日の晩お前の家に行くから!殺してやる!」と言いました。 そしてその晩、彼は本当に家に来ました。

 

マンションの下で話すことにしたのですが、とにかく彼は正気じゃなくて、「これは本当に殺されるかも…」と感じました。「別れるなら死ぬ!」と言って道路に飛び出したり、マンションの3階から飛び降りようとしたり、いきなり全力疾走したり、恐怖でしかありませんでした。

 

それでも「やっぱり別れない」と言わない私を見て、彼も観念したのか、次は泣き落とし作戦。大号泣しながら土下座して「お願いだから別れないで下さい」と言われました。そしてポケットからおもむろに何か紙を出して来て、私に渡しました。開いてみてびっくり、何と彼の欄が全て記入してある婚姻届でした。

そして、名前の入った指輪まで渡されました。私は鳥肌が止まりませんでした。

 

婚姻届も指輪も彼に返すと、今度は「俺、もうすぐ死ぬ病気なんだ。お前と付き合っててストレスでこの病気になった。

責任取って。

これで別れるなんて人殺しだよ。」と言い始めました。もうこの見え透いた嘘で、私の彼への気持ちは完全に冷め、別れたい思いは確固たるものになりました。今までで1番心のこもっていない冷たい声で「そっか。お大事に。さようなら。」と言って、家に帰りました。

それからも彼は何度か家に来たし、連絡もしてきたけれど、ひたすら無視を貫きました。この決死の思いでの別れのおかげで、今は平和に暮らしています。